父のがん闘病記9 ~行政や、信頼できる人に頼ることの大切さ~
2021年8月19日
こんにちは、声優の遠藤章史です。
3月10日(火)に2回目の抗ガン剤治療を終え、帰ってきた初日に3度も転倒してしまった父。階段で転倒してしまった以上、命の危険すらあるのを痛烈に感じて、翌日に地域包括支援センターへ連絡しました。地区町村によって、連絡場所は違いますので、もうご相談される方は、自分の住んでいる場所の管轄はどこなのか調べて電話してください。
実は私はこの行政の取り組みを全く知りませんでした。
父のことはちょくちょくフェイスブックに投稿していたのですが、
かさこ塾(好きを仕事にするをモットーに受けたセミナー)で知り合った方々から耳寄りな情報を頂いていたのです。後に登場する元気ながん患者さんも、その知り合いの知り合いでつながったかたです。
地域包括支援センターはすぐに動いてくださいました。
電話した当日の11日の午後にすぐに対応してくださいました。
来てくださった宮崎さんは恰幅のいい優しい中年女性で、とても親身に話を聞いてくださり、口調も穏やかで好感の持てる方でした。今でも感謝してます。
介護認定の申請や介護用ベッドやサイドバー(ベッドから降りる時につかまる)、介護保険とはどんなものなのかなどを世話してくださいました。
この後の13日に大やけど事件があり、介護ベッドが到着日と時間が重なり大変な日になったことは前々回書いたとおりです。
16日早朝、要介護認定を受けるためには、主治医の先生が現状レベルを確認する書類が必要で、そのために、その16日朝早く、私が車で病院まで送り、母についててもらいながら診察を受けました。
私は声優をしておりまして、そのとき抱えていた宅録の仕事(私の本業は声優)で提出期限が近くなっておりましたので、家に帰ってオーディオブックの朗読の音声録音をしておりました。診察が終わり、母からの連絡をもらって、このあと、やけど治療のため、豊岡第一病院へ行ったのですが、母を家の前でおろして休んでもらうことにしました。
というのも、この頃から認知症の症状がどんどんひどくなり、この前日も、父のワガママで眠れないと言って母を夜中に起こし、ずり落ちてまた起こし、母もクタクタで倒れそうだと発言。こりゃ休ませないと本当に倒れるぞと考え、
やけど治療へは私一人で連れて行くことにしました。
今回一番言いたいことは、自分たちだけで頑張ろうとしないことです。
我が家の場合、父に介護をするにあたって、たまたま私と母の二人がいて、ある程度は対応できましたが、一人で介護する場合や老老介護だと深刻です。
無理だとなった場合は、すでにかなり厳しい状況で共倒れになる確率は高くなりますので、そうなる前に、このままだと倒れるかもしれないと不安がよぎった時点で、行政に頼るということです。それに加え、フェイスブックでも地域のつながりでもいいので、何らかのコミュニティに所属しておくということです。特にお金をかける必要はありませんので、そこはご自身の判断にお任せしますが、いざという時に頼れるのは、人しかいません。人はお互いに支え合う事が大事ですので、お互いにそういう気持ちを大事にしましょう。一つ気をつけたいのは、人の弱みに付け込んで、お金を搾取しようとする詐欺師や悪い人間はたくさんいるということ。私も気持ちの弱っている時に、今年、とんでもないインターネット会社と契約してかなりの損失を出しています。その後に無料相談所と思っていたら、契約代行業だった会社に半分以上引っかかって、損失を出してます。途中でおかしいなと気がついたので、大損失は免れましたが、それでも無駄なお金を使ってしまいました。こうなる前に、信頼できる知り合いに相談したり、頼ることも、すごく大事なことだと思います。自分が冷静ではない時、心が弱っている時に限って、そういう輩は寄ってくるものなのです。
著:遠藤章史
ナレーションを中心に芸能の仕事をさせていただいています。昨年から自宅録音での納品もしており、朗読、ナレーション、YouTubeやツイッターやブログ、フェイスブックなどのSNSでも発信中。父の膀胱がんが発覚してから様々な意見を取り入れながら思案・行動してます。父は認知症も患っており、排泄の粗相や、夜中と早朝の徘徊、時間に関係なく、人を呼ぶようになり、自宅での介護を断念。ショートステイを繰り返していましたが、現在は老人介護保険施設に入居しております。父の体力の回復、ガンと、どううまく付き合っていかせるかを模索中の毎日です。