妻のがん体験記【あるあるその6】出費の裏には当然必要なものがある②

2021年11月8日

こんばんは。ホーリーです。

前回までのお話はこちらから

 

 

「なぜ休まない?」

「仕事どころではないでしょう」

「もっと自分を大切にしろ」

 

など、がんやハンデを抱えている人たちに向けられる言葉があります。それは一般的には善意に基づいているものと認識されており、発している本人たちもそのつもりであることがほとんどです。

 

しかし、ある程度の収入を確保していかなければならない側からすれば、ただ休めと言われるだけというのは、迷惑を掛けるくらいなら今のポジションを明け渡せと言われていることに他ならないのです。それが嫌なら治療を諦めろ、とも受け取ってしまいます。

 

責任感の強いタイプほど、この善意の裏に隠されているものを強く感じ取ってしまいます。発した本人に聞けば、そんなつもりはない、あくまで相手のことを思って、と言うでしょう。しかし敢えてキツイ言い方をさせてもらうなら、ではその時点で受け取り手の気持ちは考えていますかと?と問い質したい。相手のことを思うなら、なぜ相手がどう受け取るかまで考えないのですか?と。

 

不快に思う方もいるかもしれません。しかし傍で見ていた者としてはっきり言わせてもらうなら、善意の第三者的な立ち位置から、絶対的な善意という前提で、然程の配慮もなくものを言ってくるぐらいなら最初から黙っていろと。俺、私、今すごく良いこと言ってる!的な、自己陶酔の道具に他人を使わないでいただきたい。

 

そういう方たちの共通した特徴を、あるあるとして書かせてもらうなら。

 

①自分大好き。自分は周りから好意的に見られている、あるいは自分は他人より何らか秀でていると(客観的根拠はなしに)思い込んでいる。

 

②自分の言動は常に正しく、自分の考え方にそぐわない人間は悪であると決めつける。

 

③その様な品行方正な人間のはずなのに、自分の損得で物事の道理を引っ繰り返せる。つまり、自分都合に関しては正当化できる『棚上げシステム』を構築している。

 

妻の周りにも、心配しているという体で単に仕事を横から奪い取ろうという輩が結構おりました。あと、あちら都合に合わせて待ち合わせ場所に向かったところ、いつまで経っても相手が現れず。連絡してみたところ「失念していた」。似たようなことは他にもあり、その時は「仕事に没頭して時間の確認を忘れた」―これでよく偉そうな口が利けたもんだと、逆に関心してしまうレベルの低さです。

 

これをされた側は、自分が病気であるから下に見られており、この様な扱いを受けるのだと思ってしまうのです。本当に相手を心配し思い遣るのなら、御託並べる前にいかに負担を減らすかをまず考えるべきでしょう。

 

この時のことで、妻の人間関係はだいぶ整理されたようで、今となって考えると大幅な『損切』を行うことができ、結果プラスだったと言えるでしょう。

 

ただ、その当時は、きつかったと思います。

 

著:ホーリー 地方公務員

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