アピアランスケアの現状と課題
2026年9月5日
こんにちは。ピアカルテに所属している曽山南汐です。8月29日に行われた奏ミーティングはCチーム主催で行いました。ファシリテーターはCチームに所属する小澤唯さん、鈴木千尋さんが担当しました。講師には一般社団法人ピアリングアピアランスケアアドバイザーの野村奈美さんがご登壇してくださりました。

今回のテーマは「アピアランスケア」でした。アピアランス(外見)のケアは、心のケアだと野村さんは考えていらっしゃいます。安心して治療に望めるように、一歩外に出る勇気が持てるように、心が少しでも軽くなるように。誰もが平等に、自分が望むアピアランスケアが受けられる社会を野村さんは目指されています。
アピアランスケアとは、がんやその治療に伴う外見の変化による苦痛や不安を和らげ、自分らしく過ごせるように支えるケアのことです。
がんの治療によっておこる外見の変化には、薬物療法や放射線治療による脱毛、皮膚や爪の変化、手術(外科治療)によってできる身体の変化や創などがあります。外見は他の人から自分がどのように思われるかに大きく影響するものであり、外見が変化することは、心理的・社会的にも苦痛になります。
私自身も悪性腫瘍に対する外科的治療によって術部位の見た目が変わりました。そのため、多くの人に見られる温泉は避け続けており、修学旅行の際は友人に噓をついてごまかし、部屋風呂を利用していました。自分の身体の見た目が大きく変わることはとても受け入れづらく、精神的にもつらいものです。周囲の人とは違うというちょっとした疎外感を感じました。自分も肌を出しておしゃれしてみたかったな~と思うことは今もよくあります。
外見の変化対して、ウィッグや帽子、化粧品などを用いたケアから、人間関係などの心理的な悩みに対する対処まで様々な支援を行い、患者さんの外見に関わる辛さを軽減するのがアピアランスケアです。
野村さんは、「これからの治療で髪が抜けることがあるので、ウィッグを買ってください。」と言われ、どんなウィッグを買えば良いのか、看護師さんに質問したそうです。しかし、聞いても分からないと言われてしまい自分で色々試すしかなかったとおっしゃっていました。ウィッグは高いものは50万円ほどするものもあるらしく、最初は安いものから買っていったそうです。小さいお子さんがいたため、その子が友達に揶揄われることのないようバレないウィッグを見つけるのに30万円くらいかかったそうです。
看護師さんに聞いたのに分からないと言われてしまうのはがっかりしますし突き放されるようでつらいですよね。自分でやるしかないという状況はとても大変だったと思います。ウィッグを買ってくださいで終わるのではなく、具体的なサポートを行うことが医療従事者には求められると感じました。また、自分だけではなくお子さんのことも考えてウィッグを選ばれていたというお話が印象に残りました。
また、眉毛がなくなりどこに書けば良いのか分からなくなったそうです。髪の毛の問題だけではなく、爪の変色や、シミなどが出来やすくなったともおっしゃっていました。
がんやがんの治療ではいろいろな症状や変化が起こってしまうのだと改めて実感しました。次々と起こる外見の変化は受け入れがたくショックだっただろうと思います。
野村さんはこれを受けて、全国に必ず困っている人はいるのでアピアランスケアを布教して、患者さんに施すことを自分がしようと考えました。最初は病院にお願いしたそうですが、許可は降りなかったそうです。しかし、興味を持ってくれた企業と繋がることができ、アピアランスケアに関する活動をしていく中で、それをきっかけに興味を持ってくれた病院もあったとおっしゃっていました。
自信の経験から困っている人のために自ら動こう、人のために頑張ろうと考え行動するお姿がとても素敵で素晴らしいと感じました。病気や治療による身体の変化やボディイメージの変容は受け入れがたくとてもつらいものです。周囲の人とは違う見た目になってしまうのは悲しく、ネガティブになってしまうことも多いです。しかし、変わってしまった外見を受け入れ、自分らしい生活を取り戻すための手段がたくさんあることを今回のアピアランスケアに関する奏ミーティングで学びました。
がん患者さんが抱える様々な悩みを知り、その人が自分らしく生きられるような支援を行っていきたいと感じました。
最後になりましたが、講師としてご登壇いただいた野村奈美さん、今回のミーティングを企画・運営してくださったCチームの皆さん、そして参加してくださった皆さん、貴重なお時間と多くの学びをありがとうございました。






