あなたは病気、相手はゼロカロリー

2022年2月18日

こんにちは。
ピュアスマイルスタジオの下澤です。

「あー、私、あの人と戦ってしまいそう?~」と思ってしまう、がん罹患者のみなさん、少し落ち着いてね。

「がんという側面だけで、そんなこと言うなんて許せない」

「がんというだけで、そんなこと言われるなんて信じられない」

このように、がんの人とそうでない人の関係は、ちょっとした隙間から大きな溝へと繋がってしまうことがあります。

要するに喧嘩です。子供同士の喧嘩とは違い、信頼関係がなくなり人間関係が完全に壊れてしまいます。

人間関係が終わることは仕方のないことですが、その前に深呼吸して考えてみてください。

がんであるあなたは、どう足掻いでも、がんという病気の人です。変えようがありません。がんでない人には想像できない治療をしています。大変な思いをしていることの上に、更に、がんでないあの人と同等に戦うことで、これ以上エネルギーを消耗しないでほしいのです。がんの人は免疫を上げることが必要!と言いますよね。医学的根拠が正しいのかは置いておいて、やはり笑っていることは必要です。無駄なことに怒りを感じたり泣いたりマイナスのエネルギーに引っ張られないでください。だって、あなたはがんの人、相手はゼロカロリーです。ハンデが大きすぎませんか?というより馬鹿馬鹿しく思えませんか?

がんでないあなたも、よく考えてみてください。あなたはゼリカロリーで、ハンデを抱えたがんの人と挑もうと考えています。

「がんという側面だけで、そんなこと言うなんて許せない」

がんであるということは、大変なことです。私が、助かる病気と言ったり大変だと言ったり、分かりにくいかもしれません。助かる病気ということは、それだけ大変な治療をしていると言えば分かりやすいでしょうか。

「罹患前と同じように扱ってほしい。でも、ハンデとゼロカロリーを強調するわけ?」

それでもいいのでは?

がんであるあのい人は、がんでない人が想像していないほど、たくさんのことを諦めてきています。辛い治療もしています。失った部位もあります。更には、治療が終わって全てが終わりとはいかないのが、がんという病気です。半年に1度、1年に1度の治療後定期検診をどんな思いで迎えているのか想像したことがありますが?人間ドックの結果が要再検査になり、再検査の結果待ちのモヤモヤは経験されている人が多いはずです。そのモヤモヤとは比にならないぐらい、嫌な気持ちになっています。

私自身も、この定期検診前には安定剤を処方されているほどです。経験するまで想像もしておらず、治療が終わった瞬間に、やったー!と安心した瞬間でもまだ想像していませんでした。

がん経験者の一番怖いものは『再発』です。

ここまで説明すれば、

「がんという側面だけで、そんなこと言うなんて許せない」

という言葉の選択肢は無くなりますよね。

そして、がんであるあなたは、もっと“伝える”ということを意識してください。伝わらなくても、伝えることに疲れても、伝えないことには伝わりません。

残念ながら、伝えても伝わらない人は、ある一定数います。その人と付き合う意味はあるのか、これからの人生に必要な人なのか、考えてみましょう。

 

著:NPO法人ピュアスマイルスタジオ
下澤純子

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