妻のがん体験記【あるあるその7】~『生きづらさの壁にぶつかる③~

2021年12月13日

おはようございます。月曜日担当のホーリーです。

前回までのお話はこちらから

 

今回のコロナウィルスにより起こった様々な問題は、人による差はあれ、多少なりとも『生きづらさ』というものを皆が感じた出来事だったのではないでしょうか。

 

働き方が大きく変わった人達も沢山いますよね。これは、社会全体で対応しなければならない問題だという認識があったからなのだと思います。変えなければ対応してゆけない、と皆が強く思ったから。

 

ならば、病気や障害を持つ人、何らかのハンデを背負う人たちのことも同じだと考えられないでしょうか。『生きづらさ』を抱えるもの同士が、お互いを補いあうという、ただそれだけのことなのですから。

 

「はたらく」とは、何なのでしょうか。所説ありますが、言葉の成り立ちとしては、「はた」という擬態語の動詞化、と考えられているそうです。止まっていたものが急に動くことを表しているそうで、そこから体を動かす、という意味になったということです。

 

そして「はたらく」という言葉を表す漢字も、そもそもは「動」、だったそうです。この成り立ちについても諸説ありますが、人が重労働、或いは農作業に携わる様を表しているのだそうです。しかし、いつしか「動」は今の私たちが使っている単に「動く」という意味に定着してしまった。

 

そこで、明治以降に「動」ににんべんをつけ、「働」という漢字を作ったそうです。

 

「働く」の語源の所説の中に、「はた」とは「傍」のことで、傍=他者を楽にする、というものもあります。これについては単なる言葉遊びであり、語源としてはありえないということです。

 

それを承知であえて言わせて貰うなら、他者、というのが社会だとするなら、それを楽にすることが「働く」であるとしてもいいのではないかな、と思ったりもします。それを皆が考えられるなら、それは回りまわって自分のためにもなるのだし。

 

今、世界全体が取り組むべき課題として掲げられている『SDGs』―持続可能な開発目標も、根底は同じなんじゃないかと思います。綺麗ごとや他人事とするのではなく、明確な目標と具体的な方法を持って、皆が目に見えるかたちで進捗を管理しながら実行していく。その積み重ねが、「誰一人取り残さない」世界の実現に繋がるのかもしれないと、本気で思います。

 

「働」という漢字は、「人が力を重ねる」とも読めますしね。

 

著: 乳がんの妻を持つ地方公務員

 

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