妻のがん体験記【あるあるその5】~本当に様々な出費があることを知る②

2021年10月25日

こんにちは。
月曜日の連載担当のホーリーです。
妻が乳がんです。

前回までのお話はこちらから

 

抗がん剤の副作用として、脱毛はほぼ全ての人に見られる症状だと思われます。それと共に、がんの治療のほとんどは、通院で行う割合が高く、基本はそれまでの日常と変わりなく、仕事も続けていくよう(もちろん個々人の状況によりますし、無理のない範囲で、という前提ではありますが)医師からすすめられます。

仕事を続けていく前提であるとするならば、当然回りの理解も必要になってくるのですが、実際なかなかそういうわけにもいかない、人によっては周りに気を遣わせたくないのでなるべく気付かれないようにしたい、と考えてしまいます。

その結果、なるべく自然な状態に見える、高価なウィッグが必要になるのです。ウィッグは、言葉は悪いですがそれこそピンキリで、帽子を被ってもよいのであれば、さほど高価なものでなくても違和感はありません。しかし私の妻のように、講師業であったり、営業職など不特定多数の人と接することが常である場合、やはり帽子を被ったままというわけにはいかず、かと言って会う人ごとに事情を説明するのもそれはそれで大変な負担となります。完璧に分からない、何の違和感もないというところまではいかないにしても、ある程度自然に見え、作り物感がないレベルを求めるとするならば、最低でも20万は掛かるとみてよいでしょう。

さらにそれらにはメンテナンスが必要不可欠で、艶出し・保護のためのスプレー、またウィッグ用のヘアサロンで、定期的に調整をする必要もあります。それだけでも、かなりの出費になりますし、これに関しては保険適用というわけにもいかないのです。ただ、例えば確定申告の際には、医療費控除の対象とすることができますし、自治体によっては、このウィッグに対する補助金の制度があったりもするようです。使える仕組みや制度をフル活用することが大事ですし、それを教えられる人が身近にいてくれれば、とても心強いことだと思います。主治医にも看護師にも、そこまでの知識はなかなかありませんからね。

 

著:ホーリー  地方公務員

ページトップへ