パパの、がんと仕事・子育て奮闘記21 ~がん再発~

2022年7月26日

こんにちは。
火曜日担当、ピュアスマイルスタジオの理事の長尾です。

前回までのお話はこちらから

 

ここでご紹介する書き込みは治療より日常の子育ての比重が多いですが、がん治療が終わって日常生活に戻るということはそういうことだと思います。
仕事に関してはほぼ前と同じ状態に戻りました。
子育ても以前と同様です。子育てに完璧はないかと思いますが、この年になって実はあの時こうしておけば良かったということもあります。勉強や学校生活に関しては細かいことは目をつぶっても、朝早く起きるとか時間管理に関しては指導が甘かったかなと思います。
今もまだその名残が多大にあります。
しかし素直な心優しい子たちなのでまあいいかという思いもあります。生活はドタバタ感丸出しですが楽しく過ごせました。

しかし年末に再発しました。


2014年9月1日(月)

「ティファニーで朝食を」を見たかったけれど明日以降に変更。子供達の宿題対策と家事に追われた一日でした。
綾音は読書感想文の本を8/28に変えるというメチャクチャなことをしました。嵐のファンの綾音は櫻井くん主演の家族ゲームという本に変更。綾音は1時45分現在清書をしていますがあと10分くらいで終わりそう。最後までやらせます。

龍は8/31中に終わって寝ました。今から風呂に入って早く寝ます。
今日の夕食はメインが蕎麦、ヒジキとジャガイモ炒めとサラダ。昨日は豚肉を小麦粉で焼いたものとサラダ、味噌汁。久しぶりの肉。
ところで宿題が終わったら外食に行くという約束をした。どうしよう?
「ティファニーで朝食を」が見られなかった。超ショック(*^^*) お粗末

 

2014年9月28日(日)
今日は休みだったのでゆっくりして子供達の勉強を少し見た。昨日の夜安くなったお惣菜や食材を大量に購入し明日の夕食までほとんど手を加えず盛りつければいい状態の手抜きをする。散財したけどたまにはいいか。
朝はオムライスとトンカツと唐揚げ、納豆巻き。昼はカルボナーラ、海老ピラフのお惣菜、押し寿司、味噌汁。
夕食前に久しぶりに清水湯に綾音の友達を誘って4人で行く。

いい気持ちで19時半に帰って来た。夜は寿司ネタ、レバーのお惣菜、サンマと野菜のお惣菜、チーズ入りのコロッケ、御飯、味噌汁(写真)。
美味しく頂こうと思ったら綾音が食卓近くのピアノのすぐ横でGを発見する。Gジェットを噴射すると臭いで食事が台無しになるので我慢して食事を先に済ませた。その後Gジェットを握りしめ鼻の穴をおっ広げてGを退治しようと思ったがGは何処かに行ってしまった。子供達は椅子の上に乗ってきゃあきゃあ言っている。少し前にマンションの共用通路でGが飛んでいたのを見た。いろんな家庭を観察しているかもしれない。

 

2014年10月13日(月)
10/11の夜から息子の龍と共に熱が出た。37.5°。龍は10/12には熱が下がったが私は39.2°まで上がってずっと寝ていた。左のホッペと首のリンパのあたりが腫れていた。1日22時間くらいは寝ていた。10/13の朝になったら37.0°に下がっていて一安心。念のため通院しているガン研有明病院に電話したら多分問題ないでしょうとのこと。以前処方してもらっていて発熱前に調子が良いからと勝手に止めていた薬(クラリス錠200という細菌を殺す抗生物質)を飲んでいればいいですと言われ反省。
子供達は私が寝ていた1日半の間、作り置きしてあったおかずで何とか切り抜けてくれて感謝。
10/13は夕方には36.5と平熱になったので休み中に何もしてあげられなかったのでツタヤでDVDやCDを大量に借りた。始めにCDを4枚借りようとしたら今5枚借りた方が安くなるキャンペーンですと言われた。
帰りに子供達の好きな刺身などを買い込んだ。夕食の手伝いを頼んだら綾音が刺身を計量器を持ち出ししっかり3等分していて笑った。勉強もこれくらいしてくれたらいいのに(*^^*)

 

2014年10月14日(火)
昨日TSUTAYAで借りたCD、DVDと買ったDVD3枚。買ったDVDは期間限定で3枚で1500円というもの。硫黄島からの手紙路上のソリストMen In Black 1。MIBは何度も見ているけどDVDは持っていないので子供達にプレゼント。
17年位前CXの「めざましTV」の取材でMIBのプロモーションで来日中のウィル・スミスのインタビュー撮影をしたことがある。
CDは嵐×2Perfume×2、そして私が選んだMISYAのベスト盤やっぱりMISYAは歌が上手くていい。JPopでは上手くない歌手が多いので子供達に上手い歌を聞かせたかった。Everythingなどの富田恵一さんのアレンジはやはりいい
借りたDVDは綾音が借りたアナザー。怖いものらしい。綾音に「パパには怖いと思うから見ないほうがいいよ」と言われたので止めておこうかな(*^^*)

 

2014年11月1日(土)

今日は龍が通う品川区立鈴ヶ森中学校の文化祭。合唱コンクールで龍が初めてピアノ伴奏をする。鈴中の合唱はNHKコンクールで全国で金賞を取る実力校。音楽の先生は山田康子先生。私は本当は今日は休みなのだけれど、先週教えている2つの学校の文化祭と授業がぶつかったので授業変更で今週にした。仕事優先だけれど龍もわかってくれた。本番は11時40分過ぎ。私は龍の学校に9時40分までいられるのでビデオをセッティングして鈴中吹奏楽部の世話役などを歴任して未だに付き合いのある田上さんにビデオをお願いしてきた。田上さんありがとうございます。
龍がんばれ(*^^*)

 

2014年11月16日(日)
11/15(土)に綾音の小学校の展覧会に行った。綾音は6年で最後なのでビデオと写真を撮ってきた。図工の時間で展示物6つ作ったので随分時間もかかったようである。
11/12(水)急遽妹夫婦と母がうちに一泊することになった。国際展示場に仕事の関係できたのだがうちに泊まるので部屋を綺麗にしないといけない。長尾家の不要な物やゴミとおぼしきものを片っ端から捨てた。子供の昔の展示品で壊れかけていたものなども。
水曜日は私は学校の仕事を入れないでオフにしている。撮影の仕事も入れなかったので11/11(火)の夕方から11/12(水)まで掃除&断捨離の1日となった。その作業中何だか壊れかけた人形のようなものが出てきた。「何だこのクオリティの低い人形もどきは」と思い断捨離した。
11/12(水)の13時妹夫婦夫婦と母が到着しお茶を飲んでいたら綾音が帰ってきた。

図工の授業だけでは間に合わないので人形を家に持ち帰っていて、それを取りに来て学校でこれから作るとのこと。始め何のことかわからなかったが断捨離したことを思い出した。「あの人形もどきは捨てたよ」と言ったら案外ケロッと「そう」と言って学校に戻って行った。
母も「悲しい顔をしていないから出来が良くないと思っているんだよ」と私を気遣ってくれた。
学校にすぐ電話をして私が間違えて捨てたことを伝えた。「もしかしたら泣いているかもしれないので宜しくお願いします」と一言付け加えた。
慌ててゴミ集積所に行った。
うちは350世帯の大型マンションなのでゴミ集積所は分別はもちろんするけれど24時間自由に出せる。燃えるゴミは水曜日午前に運ばれる。何度もゴミ袋を出したけど何時ごろ出したゴミ袋に入れたか覚えていない。10袋くらい出したので。


祈る思いでゴミ集積所に行ったら私の出したゴミ袋があった。中から人形が出てきた。

すぐに学校に電話した。「ゴミ集積所から見つかりました。すぐに届けます」と言って人形をゴミ袋から高級なお菓子の袋に詰め替えて教室に届けたらみんな笑っていた。お父さんに人形を捨てられたということはクラス中の児童が知っている。綾音も照れ臭そうに笑っていた。先生も笑っていた。「お父さんに人形を捨てられたと初めに言った時は言い訳をしているのかなと一瞬思いましたが一生懸命作っていたものが出てきて良かったです」と言われた。大掃除していた経緯も綾音から聞いていて納得して頂いた。
人形のキャプションには「将来モデルさんになりたい」と書かれていた。

 

2014年12月21日(日)
身体の調子は特に問題なく毎月の検査も順調でしたが喉に癌が再発。初期で表皮部分なので切除しておしまい。来年の第2週あたりに1週間くらい入院予定。抗がん剤や放射線治療もないので復帰は早い予定。入院後少し自宅療養が必要と思います。その後は仕事は出来ます。治療中は編集などの仕事をするつもりです。運動はした方が良いと主治医からも言われるので少しは運動せねば。

 

2014年12月27日(土)
アメリカの人気ドラマ24のⅦを観ている。もう随分前のドラマだけれどちょこちょこ買い足していたらⅦになった。所々突っ込みどころはあるがやっぱりストーリーが秀逸でスケールも大きく面白い。初めのシリーズは中古で購入していたけれどⅥ、ⅦともコンパクトBOXで新品約2300円なので新品で購入。(Ⅲは妹に貸し出し中)観たい人はお貸ししますのでご連絡ください。

1日がこんなに目まぐるしく過ぎるのもすごい。
私自身は鼻がグズグズしているけれど体調はまあまあ。しかし先日検診で喉に小さな再発を疑われる部位があり、12/24に胃カメラなど精密検査を受けた。喉に再発が確認されその他には転移が無かった。1/15に手術してその部分を切除しておしまい。1週間くらい入院で2月から復帰の予定。クリスマスにこのネタを載せるのもどうかと思い今日記載。再発は嫌ですが毎月診てもらっていて今回は初期なので復帰は早く今回抗がん剤も投与しません。家族で頑張りますので皆様もご自愛ください。

 

以上が当時の様子です。

日常生活において、食事に関してはできるだけ身体によいものを取ろうと心掛けました。そして肉よりも魚や野菜を多く取ろうしました。スーパーでお値打ちになった刺身や寿司などが目につくと、つい購入していたことが多かったように思います。
お酒はがんの治療が終わってから6年間1滴も飲みませんでした。この当時は飲みたいとも思いませんでした。子供達を置いて旅立つことは嫌ですし、まだまだやり残したこともありがんを直すんだという気持ちがそうさせていたと思います。

体調は良かったと思いますが、今思い返すと睡眠不足は多少ありました。疲れたら寝るようにしましたが、寝だめは本質的な解決にはなりません。
音楽のテストを作ったりする時に家事が終わってから夜中からやることも多く、それは日常から少しずつテストを作っておくということをすればできたので改善点。
編集の仕事をすることもありましたが、時間の制約がありこだわりを持って編集するとどうしても時間がかかることがありました。

子供達に時間管理をちゃんとしておくようにということも、私が出来ていないからかもしれません。反省です。

がん研で、定期検査でのどを診察していたらほんの小さながんの組織があったということでした。右側の扁桃腺に前回がんが出来て切除しましたが、放射線が当たっていた左側の扁桃腺に分子レベルでがんが残っていた可能性があるとのことでした。


治療はどれだけやっても完全ではありません。100%はありません。

早期に小さながんが確認できて良かったと前向きに捉えました。
いつも言うようにくよくよしても何も良いことはないからです。

翌年から再治療が始まります。

 

 

 

次回の話はこちら「パパの、がんと仕事・子育て奮闘記22 ~再入院、有意義な入院生活~

著:長尾聖生(きよみ) NPO法人ピュアスマイルスタジオ理事
私は21歳と19歳の大学生の子供をもつ、がん経験者のシングルパパです。私は東京都の公立中学校で非常勤講師として音楽の教師を30年以上続けて、株式会社オール・コレクトを作りTV番組や音楽関係の撮影・編集の仕事も同じく続けています。マライア・キャリーからオーケストラ撮影・TV撮影・CM・YouTube配信など守備範囲は広範!

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