がん専門医押川先生のYouTube動画 ~脱毛少ない抗がん剤がなぜ開発されない?~

2023年7月7日

確かに新しい治療法は生まれているように感じます。
それならどうして脱毛しない抗がん剤は生まれないのでしょう

私も経験していますが『ハーセプチン』などの分子法的薬は副作用が少なく(人によります)私も脱毛は起こっていません。

一言でいうなら、脱毛することは命に関わらないから開発優先項目とはなりにくいのです。

「頭皮冷却療法」というものが2019年3月に(まさに私ががん告知を受けた時!)日本で厚生労働省で薬事承認され保険外診療として全国の約50施設で導入されているようです。まったく知りませんでした。私の病院には導入されていなかったのだと思います。

保険外なので、16万円から36万円するようです。
高額療養費の対象にもなりません。

 

患者さんが脱毛にこだわる隠れたややこしい理由

それではどうしてがん患者は脱毛がイヤなのでしょう。
そんなの当たり前です。
ロングヘアの人が、ショートヘアに抵抗があるのとは比にならないです。
脱毛による精神的苦痛は相当大きいです。

がんになっても治療しないと公言している人と、何度か会ったことがありますが、がんになって本当に治療しない人はほとんどいないようです。がんの不安と痛みに直面すると耐えられないからです。

 

なぜ開発されないのか

それなら脱毛しない抗がん剤が開発されてもよさそうですよね。

理由は、

  1. がん治療の根治率が未だ不十分
  2. 生存期間に勝る優先度の高いものはないという意識が高い

腹腔鏡下手術や内視鏡手術も決して根治率や生存率をないがしろにしていません。

 

 

まとめ

抗がん剤開発は、根治率や生存期間延長が最優先とされているため脱毛を軽減する治療開発はされにくいということが分かります。

分子標的薬や、免疫チェックポイント阻害薬のように、治療成績は良いが付随的に脱毛しにくいという治療法は増えてきています。

 

NPO法人ピュアスマイルスタジオ
下澤純子

 

ページトップへ