あなたの「善意」が「心ない」になってしまう理由
2021年7月27日
ピュア・スマイル・スタジオの下澤です。
大切な人が病気になってしまったとき、その相手が家族であっても友人であっても、どう接したらいいのか一瞬戸惑うかもしれません。
今日は、大切なあの人にかけてあげたい言葉について書きます。
「痩せちゃったね」よりも「ゆっくり休めてる?」
なぜこう感じたかというと、私、がんになり、体重が10㎏以上増えたんです。超太ったのに「痩せちゃったね」とよく言われました。それは、「がん」=「やせ細っていく」という思い込みがあるからでしょう。
「ねえ、太った?」と気づいた人もいますよ。薬の副作用で~と、薬のせいにしていました 笑
もちろん、治療で食欲もなくなり痩せる人も多くいます。「痩せちゃったね」が哀れみと感じさせてしまうのは良くないので、「ゆっくり休めてる?」という言葉をかけてあげましょう。
じろじり見たり「もう髪の毛はないの?」よりも「そのウイッグ似合う!」
髪の毛への視線や、胸(乳がんだったので)への視線は、ちょっと嫌だったかも。
「えーっ!ウイッグに見えない!」「今のウイッグってすごいね」ぐらいのこと言ってください。
間違えても、「髪の毛がなくなるなんて私なら耐えられない」は言わないでね。
がんの人は、抗がん剤の副作用で髪の毛がなくなることを、「抗がん剤が、がんをやっつけている!」に置き換えることができるんです。そう考えれば、頑張っている人は可哀想ではないし、私なら耐えられないという言葉も必要ないですよね。
「乳がんって、仕事を頑張りすぎた人が罹患する病気なんだって」
これは、単純に嬉しいです。
「特別扱いしないからね」
所属しているダンスチームの人に言われたことがあります。特別な目で見られないこと、罹患前と同じように接してもらえることが嬉しかったのを覚えています。イベントでの私のポジションもちゃんとありました。
それでも、健康な人とは疲れ方が全然違います。今は、私の「しびれ」の後遺症に合わせて、振り付けを変更してもらったりしています。思いやりを感じています。だから私も「ここの振りがキツいです!」とはっきり言えるようになりました。だからって、あーだこーだ言われません。
「頑張ってね」よりも「頑張ったね」
育児と似ています。ママだけが「頑張ってね」と言われてしまうと、1人で育児をしているような気持ちになります。他人事に感じてしまいます。「頑張ったね」と1つ1つ認めてあげましょう。
「がんになっても前向きで尊敬します」は善意ではない場合も?
がんになり前向きな人なんていません。がんになったその人は、明るく振舞っているのではなく罹患前と全く変わっていないだけのことがあります。「がん」=「可哀想な人」という思い込み、落ち込んでいて当然という思い込みから、全く変わっていなくても前向きに見えてしまうのかもしれません。
いくつか並べてみました。
せっかくの「善意」。大切な人に伝えたいですよね。
ピュアスマイルスタジオ
下澤純子