訪問看護と企業の背景
2026年1月13日
こんにちは。
ピアカルテ(ピュアスマイルスタジオ学生会員)の作田菜羽です。
先日、12月奏ミーティングが行われました。
今回は、がんセンターでの勤務を経て、訪問看護事業を立ち上げた青木創次郎さんを講師にお迎えし、「訪問看護と企業の背景」をテーマにお話しいただきました。
青木さんは、父親が心筋梗塞を起こした際に何もできなかった経験をきっかけに、訪問看護を始めることを決意されたそうです。
当時、訪問診療や訪問介護はほとんど普及していなかった中で、青木さんが事業を立ち上げ、現在に至るまでのお話をお伺いしました。
病院と訪問介護の違い
| 病院 | 在宅 | |
| 目的 | 病気を治すこと | その人の暮らしを支えること |
| 役割 | 治療対象としての患者 | 「父」「母」といったその人自身 |
| 環境 | 24時間管理 | 独自の生活リズム、家族の時間 |
どんな方も、家では「患者」ではなく「父」「母」であり、その人自身です。そこにはその人本来の威厳があり、青木さんは「訪問介護でこそ、その人達の威厳を守ることができる」とおっしゃっていました。
病院で見せる姿と家で見せる姿は全く違うからこそ、ありのままの姿を受け止めてあげられる訪問介護には、病院とは違った必要性があるのだと思いました。
理想のケアを実現するための3つの武器
看護:「環境を整えること」
ただの「環境整備」ではなく、家族と本人、お医者さんと利用者さんの環境を整えて、どうしたらその人が過ごしやすくなるかを考える
経営:「土台、仕組みを作る」
人、お金をどのように動かしていくかを考える
デザイン:「納得解の創造」
正解がない回答がたくさんある中で、対話をしながらみなが納得できるような回答が生まれるかを考える
青木さんは、この3つの武器を持って訪問介護をされているそうです。
相手が本当に求めているものとは?〜言葉ではなく態度で伝える〜
「頑張って」という言葉は、絶望の淵にいる人にとっては刃物になりえます。たしかに、「もう頑張っているよ、」と限界を感じているときに「頑張って」「元気を出して」と言われても、素直な応援と受け取れず、「これ以上何をどう頑張ればいいの?」と思うことがあります。
自分が頑張っているときにそれ以上のものを求められてしまうと、自分の今までの頑張りが否定されたような気持ちにすらなってしまいます。
そこで私達は、「頑張って」という言葉を使わずに、何が出来るのでしょうか。それは「逃げずにその場に居続けてあげる」こと。その場にいて「うん、うん、そうだよね」と相槌を打ちながらお話を聞いたり、相手の言葉に共感して繰り返したり、方法はいくらでもあります。時には、沈黙も大切な関わり方の1つだったりします。ここで何より大事なのが、相手に「この人は私のことを理解してくれているな」と、思ってもらえるような行動をすること。相手に心から受け入れてもらえるためには、まずは相手を心から受け入れることが大切です。自分の意見、思っていることを押し付けるのではなく、相手の思っていることを受けとめることが何よりも大事なのだと気付きました。

多職種連携
医療業界では、医師、薬剤師、ヘルパーさんなど多くの人が網のように支え合っています。その中で、医療と生活の両面を知る看護師は、医師と他機種の間に立ち、「ハブ」として「情報を翻訳して伝える」という大切な役割を担っています。在宅にはヒーローはいらず、みながチームとなって支えていくことが何よりも大事です。

患者様と関わる中で大切なこと
私達は患者さん本人ではないため、相手にどれだけ寄り添おうとしても、どれだけ病気について学んだとしても、その人の気持ちを全て理解することはできないということを前提においておくことがとても重要です。「わかったつもりでいる」ことは、相手を傷つけてしまいます。また、相手が望んでいないことを無理に進めることはできないため、相手のニーズを聞き出すことも重要になってきます。医者や家族の方々が望むことは、「本当に」患者さん本人が望んでいることなのか。訪問看護師は、家族と患者さんとの中立の立場として、うまく整合性を取りながら個別に関わっていくことが必要です。
これからの医療現場で求められる力
現在の医療は、「治す」から「支える」に変換され、病院完結型から地域完結型へと変化しています。また、AIの発達により、さまざまな仕事が取って代わられるようになりつつあるため、AIではない人間だからこそ出来ることを見つける力が求められています。答えのない問いにぶつかったとき「問い続け」「考え抜く」という力が、今後の社会ではより重要になっていきます。
「医者として」「看護師として」。私が将来医療従事者となった際には、自分だからこそ出来ることを常に考えていきたいです。そして、その答えを見つけるために、医療だけでなくさまざまなものに触れながら自分の視野を広げ、学び続けていきたい思いました。







