自分がこの先どうなるのか不安

2022年1月13日

おはようございます。
ピュアスマイルスタジオの下澤です。

今日は、がんの人への接し方として、“死ぬ前提で見ないでね”、というお話です。

がんに罹患して、まず考えることは、自分は「死ぬの?」ということです。

 

治療があーだ、こーだ。おっぱいがなくなるとか、そのようなことよりも、まず自分は「死ぬの?」ということを考えます。

『死ぬ』ことが怖いからです。

なぜ怖いのかといえば、死後の世界を知っている人が、周りには1人もいません。死んだら真っ白な世界なのか、真っ黒な世界なのか、話すことができるのか、ご先祖様に会えるのか、死んだペットが虹の橋下で本当に待っているのか、何もかもが分からないから怖いのです。

そうなると死後の世界を知っているというスピリチュアルな話や、変な宗教でさえも救いになってきます。

どうでしょう。みなさんは、自分が死ぬということを考えたことがあるでしょうか。
誰でも死ぬのに、考えたことがないというのが現実ですよね。

自分が死ぬことで、仕事はどうなってしまうのか。子供がまだ小さいのにどうしたらいいの?など、根本に、死んだ後が分からないことで悩むことは多いのが、がんという病気です。

 

ひと昔前は、『がん』と『死』は『=』でした。

現在も、日本人の死因No.1は、ダントツがんです。脳疾患、心疾患を含む、三大疾病の中でもダントツなのです。怖い病気です。私だって、明日急変するかもしれません。

それでも、早期発見により、根治を目指すがん患者も増えています。

どうしても自分が『死ぬ』ということを考えてしまう、がんの人に対して、健康な人にお願いしたいことがあります。

『死ぬ』前提で見ないであげてください。

『死ぬ』前提で見ていなければ、『お気の毒に』という言葉は出てこないはずです。

生きる前提ということは、今までと変わらぬように接っするということです。

私自身、がんであることを公開してしまった時、亡くなる前提で見られることによく泣いていました。でも、みなさんは無意識なのです。むしろ善意だったりもします。

『死ぬ』前提で見るよりも、がんの人を孤立させないでください。

自分がこの先どうなるのか分からなくて不安な人を、亡くなる前提で見てしまったら、その人にとってこんなに悲しいことはありません。完全に孤立してしまいます

 

例えば、いつも4人で飲んでいる仲間の1人ががんに罹患したとします。

3人は、大切な仲間ががんになってしまったことで、心配し、気を遣います。

病気なのに誘うことに申し訳ない、可哀想と思い込み、3人で飲みに行くようになります。

その大切な仲間はどう感じるでしょうか。

反対の立場になって考えることで答えは簡単に出ますよね。

自分だけ、仲間外れ?

がんになったから声をかけてもらえなくなった?

このように、良かれと思うことが相手を孤立させることがあります。

“孤立しない” “孤立させない”

ということは、がんの人と、健康な人との関係にとって、とても重要なことなのです。

自分が『死ぬ』前提で見られ、孤立してしまうかもしれないと思えば、自分ががんだと言えない人も増えてくるのも当然です。だから、がんは水面下の病気になってしまうのです。周りからの目が気になり、どうしても自分ががんであることを言えなくなってしまいます。

大切な人が、がんになってしまったら、孤立させない。そのためにも『死ぬ』前提で接しない。今までと同じように接するということを心に置いて言葉をかけてください。

だって、がんの人は、がんという病気になっただけであり、その人自身が変わったわけではありませんよね。

まさに、病院に行く時は健康な人、帰り道はがんの人。

それだけのことです。

 

NPO法人ピュアスマイルスタジオ
下澤純子

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