第四回奏ミーティングの様子

2025年8月26日

言葉を交わして生まれた新たな絆

こんにちは。 

学生会員の作田菜羽、堀井音花です。 

先日、第四回奏ミーティングが開催されました。今回は、これまでで初となる対面形式でのリアル奏ミーティングです。学生会員同士が直接顔を合わせ、和やかな雰囲気の中で行われました。初めて会ったとは言えども同じ志を持つ仲間同士。少しの緊張はありつつも、さまざまな話を通して仲の深まりを感じられました。 

高額療養費制度を学ぶ

 今回ゲスト参加してくださった天野慎介さんからは、高額療養費制度に関するお話を伺いました。 講演を聞く前に、ピュアスマイルスタジオのメンバーがこの制度についてどれほど知識を持っているのかを調査しました。結果として、「高額療養費制度について全く知らなかった・言葉は聞いたことがあるがどのような制度かは知らない」と答えた人は、回答者の7割。今回の講演は、高額療養費制度について馴染みがない学生にとって新たな知識を身につけたと同時に、将来自分や家族が医療を受ける場面を想像するきっかけにもなりました。 

 講演を通して、高額療養費制度がどれほど患者さんの生活を救っているのかを知りました。特に、医療費の負担は重くのしかかっている、高額かつ継続的な治療が必要である重い病気と闘っている患者さん、育児をしながら闘病をしている患者さんにとっては必要不可欠なものです。また、この制度は、重い病気に直面したときに「治療を受けるかどうか」を経済的な理由で悩まなくて済むように支える役割を担っているのではないかとも考えています。その自己負担限度額が引き上げられるということは、治療に踏み切る勇気をそいでしまい、本来受けられるはずの医療に手を伸ばせなくなる人が出てくる可能性を意味するのではないでしょうか。 

 一方で、現実には社会保険料による財政負担の増大という課題があり、今後はドラッグラグやドラッグロスの進行も懸念されます。実際、ピュアスマイルスタジオのメンバーからも「患者さんの生活を考えると引き上げるべきではない」という意見と、「社会保険料の負担を考えれば、やむを得ない面もあるのではないか」という意見が交錯しました。どちらの主張にも一理あり、「こうすべきだ」と結論づけられるものではありません。 

 それでも私は、患者さん自身が声を上げ続けることが何よりも大切だと考えます。医療費の負担は日々の生活に直結する問題であり、その切実な想いは決して軽視されてはなりません。自己負担が引き上げられたときに最も困るのは、他の誰でもなく当事者である患者さん自身です。だからこそ、その声に耳を傾け、社会全体でどうすれば安心できる仕組みを築き続けることができるのかを模索し続ける必要があります。制度の見直しは避けられない課題かもしれませんが、その過程ではこれからも患者さんの視点が大切にされることを願っています。 

お互いのことを知る機会

 天野さんのご講演の後は皆さんで楽しく食事タイム&自己紹介となりました。集まったピアカルテの参加者は合計で18名。長崎や岐阜、茨城など遠方からもたくさんの学生が集結しました。 

 これまでの奏ミーティングで画面上で対話してきた方との初対面や、初めて顔を合わせる方との出会い。「将来どのような道に進みたいのか」「なぜその職業を目指しているのか」など、このチームだからこその会話が多く見られました。また、高校生にとっては、大学生という先輩に将来のことを相談できる貴重な機会でもありました。学部でどのようなことを学んでいるのかを聞いたり 、大学受験のことについて教わったり。目指すものは異なっていても、同じ志を共有していることで「仲間」という存在を強く感じました。初めて会ったはずなのに、自分のことをさらけ出しても怖くない。そんな温かい空気がありました。 

↑食事後の歓談タイムの様子 

水引ワークショップ

 後半には、Ayaプロジェクトの小泉彩夏さんによる「水引ワークショップ」が開催されました。参加した7人は、全員が水引初体験。特に「水引というものは知っていたけれど、やったことはない」という人が多く、全員にとって貴重な体験になりました。そして、彩夏さんの丁寧なご指導のもと、それぞれが世界に一つの素敵な水引を完成させました。 

 参加者からは、 

「少し難しかったが、和気あいあいとできて楽しかった」 

「分からなかったときにすぐに聞ける、温かな雰囲気がよかった」 

「彩夏さんとはもちろんのこと、学生同士でもたくさん交流することができて嬉しかった」 

などといった声が寄せられました。 

 水引は、彩夏さんのお手本を見ている以上に難しく、私もなかなかうまくいきませんでした。しかし、困ったときには彩夏さんが手助けしてくださり、丁寧に教えていただいたおかげで、かわいい水引を完成させることができました。 


↑学生が作った水引 

↑水引を体験したメンバーの写真 

ayaプロジェクトからの宣伝

〜マルイシティ横浜店でのポップアップイベント〜 

 今回、ayaプロジェクトでは、ayakaさんとtaniyaさんのコラボにより、患者さんの希望を集めて、ピュアスマイルスタジオのオリジナルブランドとして手作りのおくすりポーチが生まれました。  

 「マジックテープ形式だと待合室で響く音が気になる」 

 「できるだけ簡単に力を入れずに開けられるものがいい」 

といった患者さんからの声を元に、一つ一つ手作りでポーチを作成しています。ポーチの名前は「HAKU(ハク)」。由来はハワイ語の「紡ぐ」です。「紡ぐ」という言葉が選ばれた背景には、「言葉や物語、思い出などを紡いで形にする」「商品を手にした人にも思いをつなげていってもらいたい」という気持ちが込められています。そんな想いがたくさん込められたポーチは、以下のような素敵な仕上がりとなっています。 

このおくすりポーチは、9月14日と9月15日にマルイシティ横浜店で先行販売を行います!みなさんもぜひ足を運び、手に取ってみてください! 

がん患者さんとの直接の会話

 私はピアカルテの取材班として活動しており、現在ayaプロジェクトの取材に関わらせていただいています。ayaプロジェクトは今回、ayakaさんとtaniyaさんのコラボで行われています。食事をとりながらお二人と何気ない会話をしたり、水引のワークショップが終わったあとにもポーチの見どころや工夫をたくさんお聞きしました。さらに、これから関わらせていただく方と実際にお会いできたことで、気になったことをその場で伺ったり、お二人の作品をより多くの人に知ってもらうための方法をじっくり考える機会となり、充実した時間を過ごすことができました。 

写真撮影 

↑リアル奏ミーティングの参加者の集合写真 

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