父のがん闘病記15 ~ショートステイ、特養について~

2021年10月7日

こんにちは。声優の遠藤です。

前回までのお話はこちらから

 

ここで少し父の話から少しズレて施設の話をしたいと思います。

施設には向き不向きがあることをよく把握しておきましょうという話です。

まずはショートステイ。父のように高齢の要介護者が短期で施設に入所できるサービスをいいます。連続利用日数は最長で30日となり、31日目からの利用は介護保険は適用できず、全額自己負担となります。

利用できるのは「要支援1~2」や「要介護1~5」の要介護認定を受けた65歳以上の高齢者と、40~64歳で特定疾病により要介護と判断された人です。

 

まだ歩けていて、頭も比較的しっかりしていた時に父がお世話になり、大変助かりました。夜間も定期的に見回ってくれるため、ある程度は安心して預けることができます。父が施設にいることで、私と母は精神面でも肉体面でも安らぎの時間を得ることができました。

難点としては、看護師が18時には帰ってしまうこと。熱が出たり、怪我をした場合など、病院へ行かねばならない時は、家族が連れて行かなければいけないこと。その他、ショートステイは介護認定期間(要介護認定の有効期間)の半数を超える利用ができません。認定期間が180日なら、ショートステイの利用は90日までと限定されています。また連続30日を超えて利用できません。

1日でも自宅に帰れば、次の日から30日利用できます。ただし、施設がいつも受け入れてくれるわけではありません。予約が埋まっていれば他を探さねばならない難点があります。

 

特別養護老人ホームは、社会福祉法人や地方自治体が運営している介護施設のひとつで、一番の魅力は低価格(月々の負担額は数万円から十数万円程度がほとんど)である程度、充実したサービスが受けられることです。入居条件として要介護3以上となっているようです。一度入居してしまえば、基本的に最後まで入居し続けられるというのは、利用者本人、家族にとっても心強い。しかし、人気のため100人待ちは当たり前で、なかなか簡単には入居できません。もちろんそれほど待たなくても入れる施設もありますが、やはりピンからキリまであり、多いところだと300人以上待ちの人気施設もありました。もちろん建物が新しいとかあるでしょうが、それだけではないと思います。すぐに入れるところは、何らかの理由があると考えています。入居一時金も一切発生しませんが、信頼できる施設にお願いしたいですよね。

 

デメリットとしては、看護師が夜間常駐は義務付けられておらず、夜間は看護師がいない施設も少なくありません。

 

私の父の場合は、特養も申し込みましたが、素晴らしい施設に巡り会えたのでラッキーでした。

 

特養に関しては、膀胱がんステージ4の父には、ハードルが高いと考えています。というのも、基本的に元気な老人が原則だからです。急変などのリスクが伴う場合、順番が回ってきてもハネられてしまうケースがあるからです。大きなハンデがある父が特養に入れる可能性は低かったのではないかと考えます。

それでも、体が元気であれば、早めに申し込んでおいて損はありません。それも複数の特養に申し込んでおくことが大事です。他の施設の順番待ちの人もそうしているケースが多い。つまり一人が施設入所が叶った場合、他の施設では100人待ちだったのが99人待ちに変わるということ。入居前に亡くなる方もいらっしゃるので、私が申し込みをした施設でも順番がいきなり20人くらい減っていました。次回は老健、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅についてです。特に老健は人によってはとんでもないことになるという実体験をお話します。

 

著:遠藤章史
ナレーションを中心に芸能の仕事をさせていただいています。昨年から自宅録音での納品もしており、朗読、ナレーション、YouTubeやツイッターやブログ、フェイスブックなどのSNSでも発信中。父の膀胱がんが発覚してから様々な意見を取り入れながら思案・行動してます。父は認知症も患っており、排泄の粗相や、夜中と早朝の徘徊、時間に関係なく、人を呼ぶようになり、自宅での介護を断念。ショートステイを繰り返していましたが、現在は老人介護保険施設に入居しております。父の体力の回復、ガンと、どううまく付き合っていかせるかを模索中の毎日です。

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