父のがん闘病記4:~激変前の穏やかな時間~

2021年7月15日

声優の遠藤章史です。

前回までの内容はこちらからどうぞ

 

昨今のコロナ下で、父を病院へ連れていかねばならない私は絶対にコロナウイルスに感染するわけにはいきませんでした。買い物も私が担当していましたし、今でもかなり神経を使っています。私の声優の仕事も都内にスタジオがあるのがほとんどですしね。

 

声優業界の仕事をしているとはいえ、それだけでは食べて行けず、都内のホテルでアルバイトをしているのですが、コロナ下で、うまい具合に休業手当がいただけることで、自宅待機だったので、父の世話ができたのは本当に運が良かった。

働かせていただいているホテルと店長や従業員の皆さんにむちゃくちゃ感謝をしています。ようやく非常事態宣言が解除され、もう少しで復帰となりそうです。みんなとまた一緒に働けるのは楽しみです。ただ、労働条件がどう変わっているのかはちょっと心配ではあります。収入は減る分は、声の仕事で、何とかするしかない。なかなか思い通りにはならないので、簡単にはいきませんが、表現する技術力とコミュニケーション能力を磨き、声の仕事を勝ち取っていきたいと思います。

 

さて、父の手術までのスケジュールが決まり、1月6日から数日間、ガンの種類の特定と、どう治療したら最大の効果が期待できるかを検討するため病理検査入院。

ガンにも種類が様々で、そのガンにはこの薬が効くというのも変わるとのことでした。

その特定と選ぶ抗ガン剤の選定のための入院。

それでも、麻酔をかけ、全く手術と同じですから膀胱から組織を取るだけでも怖かったでしょう。

 

また、父が入院している間は、母も心配です。高齢で今年で86歳ですからね。

フォローをしなくてはいけなかったので、いつもは別々だった食事を一緒に取るようになった。一人だとあれこれ考えちゃいますからね、寂しいし。

 

病理検査入院も終わり、1月10日(日)の10時に石心会病院に迎えに行きました。

まあ、前日に認知症のおばさんが隣の部屋だったのか確認してませんが、ずっと泣き叫んでいて眠れなかったと、ぼやいていましたが、父はおおむね元気でした。

この日は父のために市販の冷凍ピザにたっぷりチーズと具を足して焼いてあげた。

おいしいといって喜んでくれました。食欲旺盛というのはいいことです。

 

2021年1月14日(金)日中も非常に暖かく、入院して寝たきりだったので足腰も弱っていたので、散歩に言ったのですが、一緒に短い距離を散歩をしました。帰りには借りている畑に寄って、少し土いじりをしていた。大根と白菜を収穫。よしよし、この調子だと思った日でした。父は土いじりが大好きで定年してからずっと畑で野菜を作ってくれていたのです。

 

退院してから3日位はお風呂禁止だったので、

この日はお風呂解禁日。体力が落ちているので、気持ちよかったというよりも疲れたというのが素直な感想だったようです。中で見守りながらですが、この時はまだ一人でバスタブをまたいで入れていました。

 

このあとまさか、こんなに体調が急激に変わってしまうものなのかと愕然とすることが起ころうとは夢にも思っていませんでした。

 

この後、高齢者の抗ガン剤治療のリスクの大きさを感じる出来事が、次から次へと起こります。

1月31日(日)いよいよ明日から父が石心会病院に10日まで入院。

いよいよ父の抗がん剤の治療が始まったのです。

 

 

著:遠藤章史
ナレーションを中心に芸能の仕事をさせていただいています。昨年から自宅録音での納品もしており、朗読、ナレーション、YouTubeやツイッターやブログ、フェイスブックなどのSNSでも発信中。父の膀胱がんが発覚してから様々な意見を取り入れながら思案・行動してます。父は認知症も患っており、排泄の粗相や、夜中と早朝の徘徊、時間に関係なく、人を呼ぶようになり、自宅での介護を断念。ショートステイを繰り返していましたが、現在は老人介護保険施設に入居しております。父の体力の回復、ガンと、どううまく付き合っていかせるかを模索中の毎日です。

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