妻のがん体験記【あるあるその6】~出費の裏には当然必要なものがある④~
2021年11月22日
みなさん、お疲れ様です。
月曜日担当のホーリーです。
一時的な自己負担も含めて、高額療養費制度だけでは賄いきれない部分の出費や費用負担に関しては、なかなか自らの貯蓄と収入だけでカバーしきれるものではありません。
普段からその様な事態に備えた貯蓄をしておけば問題ないのだという方たちもいますが、実際のところ、緊急事態というのは生活していく上で大小さまざまあるわけで、非常に流動的と言わざるを得ません。
合理性で考えるのであれば、費目別に予算を組むべきで、がんを含む三大疾病のようなものはやはりそれ専用の対策費を設けておく、つまり保険に入っておくというのが一番だと、私は自分の経験を通して強く思っています。
先にも書きましたが、治療をしながら仕事を続けなければならない方たちは、不特定多数の人と接する業種である場合も当然ながらたくさんあり、全ての人が事情を汲み取ってくれるわけではないのです。
病気に対する偏見も社会全体に根強く残っており、仕事をしていること自体を非難される、クレームになるなどということも、実際起こっています。
そういった背景を踏まえると、本人の意志に反して休職に追い込まれることも少なくない。それを避けようとすれば、高額なウィッグ等の検討が発生してくる。病気と闘うエネルギーをただでさえ使っている上、更なる精神的な苦痛や負担を強いられる、とても理不尽な状況と言えます。
社会は今すぐに変えられない。なら、せめて自分の負担は自分で減らせるようにしたい。
単純に、お金があれば減らせる負担があるのです。
がん保険ひとつとってもその保障はさまざまで、内容の把握と実際の給付の手続きにとても時間が掛かるようなイメージもあるかもしれません。保険に懐疑的な人は、恐らくこの様な印象を持っているのでしょう。
妻の治療を通して私が学んだことを言うと、自分にとって分かりやすく、汎用性が高いと思われるものを選んでおけばよいということです。
私が思う分かりやすいものは、診断されたらいくら、みたいな、複雑な給付条件の絡まないものでしょうか。何日間入院しなければ出さないとか、こういう治療には出すがこれには出しませんとか、そこがややこしくなる原因ですから。シンプルにがんと診断されたら100万みたいなものなら何も迷わない。そして、給付されたお金は何に使おうが自由、なんですから。
自分の収入を確保する以外にも、その時を見据えた補填額を確定させておく。また、負担がどの程度減らせるのかを把握しておくというのも、大事なことかもしれません。
自治体によっては、補助の対象となり、様々な給付を受けられる場合もあるようですので。
著:乳がんの妻を持つ地方公務員