妻のがん体験記【あるあるその5】本当に様々な出費があることを知る①
2021年10月18日
こんにちは。
ホーリーです。
しばらく時間が空いてしまい申し訳ございません。
妻のがんのタイプは、『HER2陽性乳がん』というものでした。この『HER2』というのは、がん細胞の増殖に深く関わるタンパクのことだそうです。
HER2タンパクが、乳がん細胞の表面に数多く存在しているのが『HER2陽性乳がん』で、乳がん全体の割合としては15~20%くらいとのことです。(2019年版患者さんのための乳がん診療ガイドライン:日本乳癌学会 編)
治療には、抗HER2療法が行われることがほとんどで、HER2タンパク質を狙い撃ちにすることができる、『分子標的治療薬』と言われる抗がん剤が使われるのが一般的なようです。
実際、妻もそうでした。
妻の抗がん剤治療は、術前と術後で行われており、術前が2週間に1回が1クール、術後が3週間に1回が1クールで、そのどちらにも分子標的治療薬が投与されました。
一般的に、抗がん剤の投与により、治療費は高くなる傾向にあるということは漠然と認識していました。しかし、分子標的治療薬というものは更に高いのだと、初めて知りました。
『一回あたりの治療費の目安表』というものを主治医から渡されました。その表には一番左に「レジメン」、治療法の種類でしょうか。その右隣に「薬剤」、これはその治療法で使用される抗がん剤の名前かと。そして一番右に書かれているのが前投薬を含めた3割負担の治療費で、軒並み5桁の数字が並んでいます。
この表自体が2018年12月のものなので、現在の金額とは異なるかもしれませんが、妻が使用したハーセプチンを見ると、「初回」と「2回目~」と分かれています。ハーセプチンの「初回」は39,035円、「2回目~」は27,307円。一回の投与、しかも3割負担でこの金額ですから、高額と言っても差支えはないですよね。
妻が使用した分子標的治療薬はもう一つあり、パージェタというのですが、そちらはさらに高額。「初回」が143,094円、「2回~」が71,547円。これが1回あたりなわけですから、もし何らかの理由で保険が使えないなんてことになったら、まず間違いなく治療は断念せざるを得ないことでしょう。高額療養費制度など、今回ほど、日本の医療制度は素晴らしいなあと、しみじみ実感させられました。
ただ、それらを全て利用したとしても、実はまだまだ掛かるお金は山ほどあることに、すぐに気付かされます。健康保険さえきちんとしていれば、他に余計なものは必要ない。こんなもっともらしい言葉が、現実を見据えていない者の戯言だと、痛感させられるのです。
乳がんの妻を持つ地方公務員
ホーリー