傷病手当金という制度
2021年4月28日
傷病手当金という制度があるのをご存じですか?私は自分がうつ病にかかり会社を辞めざるをえなくなって初めて知りました。
健康保険の被保険者であるなら利用できる制度です。実際にこの制度を利用していた私の体験談をお話ししようと思います。
私はいわゆる普通の会社員でした。朝決まった時間に起きて、決まった時間の電車に乗り会社に行く。それが出来なくなってしまったのが2年前。原因はいろいろあったのですがいわゆる私の中でのキャパオーバーだったのだと思います。とにかくこれはマズいと思い近所の精神科クリニックを受診し、休職を願い出るための診断書を書いてもらいました。しかし今までに例がなく翌月末の時点で退職をせざるを得なくなりました。私はその時はもうとにかく楽になりたい、という一心でしたので言われたとおりに退職届を提出しました。が、そのあとで心配なのがお金のことです。うつ病の治療にも生活するにもお金がかかる。今はゆっくり休みましょうと言われても気になってしまいます。主治医にそれを話すと、傷病手当金という制度があるということを教えてくれました。
傷病手当金は健康保険の被保険者である会社員などが病気やケガで働けなくなったときに生活の保障を得られるように設けられている制度です。会社員、公務員なら誰でも利用することが出来、派遣社員やパート、アルバイトの方も健康保険に加入していれば利用することが出来ます。
傷病手当金を受給するためには条件が4つあります。
- 病気やケガのために働くことが出来ないこと
- 仕事に就くことが出来ないこと(労務不能)
- 4日以上休んでいること
- 給与の支払いがないこと
病気やケガは業務外である必要があります。また労務不能との判断には医師による証明(診断書)が必要になります。
また給与額の申告など勤務先側に提出し記入してもらう書類もあります。
傷病手当金が受け取れる期間は1年6か月が限度となります。その期間内に仕事に復帰できたときはその前日まで。しかしまた同じ病気で働けない状態になってしまった場合は、給与が支払われていた期間を除き、また受け取ることが出来ます。
受け取れる額はそれまでの月給の約3分の2です。
私は休職を願い出た翌月末に退職をしましたが、そのように途中で退職をしても就業不能な状態が続いていれば引き続き受け取ることが出来ます。それには退職の日の前日までに1年以上健康保険に加入していたことが条件となります。
申請をしたのが2年前の年末、勤務先からの書類がなかなか届かずにいましたがなんとか受け取り、中野にある協会けんぽまで提出に行ったのを覚えています。それから年が明けてすぐ1月末には初回の傷病手当金を受け取ることが出来ました。
私はずっと会社員で健康保険に加入していたのですが、主治医から聞き自分で調べてみるまでこの制度のことを知りませんでした。お金のことを気にせずに身体を休めることが出来る、治療に専念できるというのはとても大きなことだと思います。私のように心の病気はもちろん、がんの治療のため仕事を続けられなくなってしまった場合でももちろん受け取ることが出来ます。
知っているか知らないかで大きな差が出来てしまう。本当に必要な人に必要な情報が届けられているかどうか。もし私のこの記事を読んで役に立つ人がいるのならうれしいです。そして本当に必要な人に届くように発信をしていきたい、このサイトもその役に立てればと思います。