パパの、がんと仕事・子育て奮闘記16 ~通院治療、仕事、子育て~

2022年6月21日

こんにちは。
火曜日担当、ピュアスマイルスタジオの理事の長尾です。

前回までのお話はこちらから


2014年3月13日
  自宅にて

2/13は綾音の11歳の誕生日。母が作ってくれた赤飯と子供達も作るのを手伝ったスパゲティ2品、黄身がトロトロの茹で卵などでささやかなお祝いをした。

先日、龍はテスト週間に勉強をやらないで隠れてゲームばかりしていたので3DSをお風呂に投げ込んで水没の刑にした。直ぐに取り出して乾かせば生き返ったけれど、龍はすぐ電源を入れたりしていてお釈迦になった。

今日も相変わらず私の貸してあげた携帯のiPhone4(通話機能は無し)で遊び呆けていたので水没の刑にしたがすぐにタオルで拭いていた。その後トイレでずっとゲームをしていたのでiPhoneは没収した。何度没収したことやら。勉強をやった息抜きでやらしたいけれど隠している場所をすぐに見つける動物的な嗅覚を身につけている(≧∇≦)

私は学校勤務復活。子供達も暖かく迎えてくれた。ニット帽をかぶっているがアービタックスという治療薬の影響で鼻と口の周りと胸、背中に湿疹が出来てきた。食欲は余りないけれど無理して食べるようにしている。4/18までの辛抱です。

コメントの一部
<鶴見厚子さん>
お勤め復活・・・嬉しいですね。しかし、疲れると思います。呑気に、オフタイムはゆったりして。龍君は、ゲームやり過ぎで何か具体的に痛い体験をすれば、パパからの指導でなく、我が身のヤバさとして感じ、気づいてくれるのでは?綾音さん、お誕生日オメデトウ!!!

<私の返信>

テスト結果で十分痛い目にあってるんですが、やる気スイッチはどこにあるのか捜索中です(*^^*)

<鶴見厚子さん>
苫米地理論によれば、”have to”であることには集中できないと・・・。つまり勉強が「ねばならぬ」存在である限り、龍君にとっては逃避の拠点かもね。勉強がゲームより面白いと思わせる授業が先立つものとしてあるか・・・あるいは龍君が到達したい境地に達するために勉強が必要事項となるか。パパとしては苛立つでしょうが、あくまでも、結論を示さず、ただ伴奏者でいて上げることが有効のようですよ。「僕はこう思うけど、龍、君は?」と考えさせて、あとは放っておく。

<私の返信>
いつも含蓄のあるアドバイスありがとうございます。いろいろチャレンジしてみます(*^^*)

<Georgi Ann Coquereau-Kimiさん>
Please try not to stress too much. There must be a fun alternative! :)))))

<私の返信>
Greatest pleasure of Ryu is to play baseball.(*^^*)

 

2014年3月14日

母の買ってきたケーキで一日遅れでケーキでお祝い。文字が滲んでしまったけれど美味しいと言ってみんなで完食。
その後お祝いのプレゼントを買いに大森のイトウヨーカドウとブックオフに行く。綾音は嵐の大きな写真やブロマイドなどを買い、先月誕生日の龍には当人の希望でゆずの新しいCDを購入。

私はブックオフで巨人の星の漫画を購入して龍にプレゼント。父子家庭で兄妹が厳しい環境の中で野球を通して育っていくスポ根ものはうちとダブルところもあるし、何より龍に少しでも根性が付くかも?という淡い期待もある。

 

当時の書き込みは以上です。

 

治療、仕事、子育てについていろいろもがいていました。

治療
化学療法としてアービタックスというがん治療薬を使いました。
治療開始前に、がん研の総合診療の先生から放射線と同時使用する化学療法について説明がありまし。
放射線の方法は同じですが、使う治療薬が通常の治療と新しい治療の2つです。

通常治療は、シスプラチンという世界中で効果が認められている薬剤を投与する方法です。1845年イタリアで開発が始まったものです。薬剤事態に毒性が強く臨床開発により、1978年にカナダ、アメリカ等で承認され、1983年に日本で承認されたものです。歴史が古いものです。

効果は、頭頚部がんで放射線同時化学療法は、50~70%の有効性があり、10%程度の上乗せ効果あり。
副作用は嘔吐、食欲不振、肝機能障害、のどの痛み、粘膜炎などです。
副作用の中で気を付けなければいけないものは、食欲不振になる確率は高く、多くの人がおなかに穴をあけて栄養を補給する胃ろうの処置をする人が出てくるとのことです。

もう一つの新しい治療はアービタックスという治療薬です。もともと大腸がんの治療薬として開発されました
効果は、頭頚部と大腸のがんに効果がある。本来大腸がんの薬として開発されたが、頭頚部がんにも治療効果があることが判明し、世界中で使われるようになる。(2012年12月から日本でも頭頸部がんで使用がみとめられた)

副作用は、重度のインフュージョンリアクション(過敏症)、寒気や嘔吐(おうと)、咳、発熱、めまい、まぶた・唇・舌の腫れ、重度の皮膚症状、間質性肺疾患、心不全、その他です。副作用の中で生活上で気になる部分は、確実に顔の皮膚にかなりひどい湿疹が出ることです。マスクをすることになるとのことです。


胃ろうになるシスプラチン
か、顔中ひどい湿疹になるアービタックスの2択です。

私は、迷わずアービタックスにしました。
胃ろうにすることが厭だったためです。

治療開始するとすぐに、顔にかなりひどい湿疹が出ました。
家ではマスクはしません。子供や母はその様子は慣れていましたが外ではマスクは必需品となりました。

 

仕事
治療しながら4月過ぎから、できる範囲で仕事をすることが出来ました。
1回の治療は、問診、治療、支払含め1時間程度でした。今よりたくさん学校で教えていたので学校のある日は授業のない夕方をメインとして予定を組んでもらいました。
年末、年始の治療の化学療法で髪が抜けていたので帽子はしていましたが、マスクをすることになりました。2022年の現在はマスクは当たり前となっています。いろいろ考えさせられます。撮影の仕事は、無理のない範囲で受けるようにしていました。体力は実感として60%程度でした。依頼者の方も私の状況がわかっているので、長時間だったり体力の必要なものはあまりありませんでしたが、信頼できるカメラマンの方々にお願いして仕事をしていました。
学校では生徒は状況を説明していたので、今までどおり温かく迎えてくれました。中咽頭がんの放射線治療で唾液の量が減っていて、のどがかれるので大きな声はできるだけさけるようにしました。休み時間にトイレでたんを出したり、ペットボトルに入れた水やお茶をなどを時々飲むようにしました。

子育て
子供達は病気の私のお手伝いをしてくれていました。進んでということではありませんが、気がついたりお願いしたらすぐにやってくれていたのでそれは良かったと思います。子供達は素直でいいのですが、ゲーム(ニンテンドーDS)ばっかりで朝なかなか起きられず、学校にぎりぎりに行くという生活が続いていました。勉強よりも生活習慣を何とかしたいと思っていました。時間を決めていたのですが何度注意しても宿題などやらず隠れてやっていましたが、テスト期間中に注意しても治らないので、風呂場でゲーム機を水没の刑にしたこともあります。(効果はあまりありませんでした)

がんメディ | シスプラチンが適応となるがんの種類と治療効果・副作用一覧 (ganmedi.jp)
シスプラチンとはどのような薬か|あきらめない癌ステージ4治療ガイド (cancertx-negiup.com)
(ここには食欲不振の項目が書いてありません)

アービタックスとはどのような薬か|あきらめない癌ステージ4治療ガイド (cancertx-negiup.com)

 

 

 

次回の話はこちら「パパの、がんと仕事・子育て奮闘記17 ~マスクして日常生活に戻る~

 

著:長尾聖生(きよみ) NPO法人ピュアスマイルスタジオ理事
私は21歳と19歳の大学生の子供をもつ、がん経験者のシングルパパです。私は東京都の公立中学校で非常勤講師として音楽の教師を30年以上続けて、株式会社オール・コレクトを作りTV番組や音楽関係の撮影・編集の仕事も同じく続けています。マライア・キャリーからオーケストラ撮影・TV撮影・CM・YouTube配信など守備範囲は広範!

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