じろじろ見られる
2022年6月3日
心配と興味って、すごく似ていて全く違います。
心配なのか興味なのかって、がんの人にはすぐに伝わります。
まずは、髪の毛ね。まだ全然毛のある時から生え際辺りをチェックされていることに気づいてしまいます。
毛が全くなくなって、脳天が布、布に髪の毛が生えた形のウイッグにニット帽を被っていた時に、それ、真ん中だけハゲてるの?と友人に言われたことがあります。
やー、全ハゲだよ!
と私は言い返しました。
気を遣いすぎて何を言っていいのか分からなかったのだと思うのです。
それでも真ん中だけハゲてるの?はね笑
ちなみにこれが、脳天だけが布でできているウイッグです。
これこそが全ハゲ!
私、どんなに今のウイッグが優れていても、絶対に分かるの!
というのも、抗がん剤で髪の毛を失った人に対して必要ない言葉です。
(やー、私の高級ウイッグ30万したのにすぐにバレるとか?がっかりだ〜)
↑
当時、そう思っていました。
脱毛について少し書きますが、分かりやすく言うと、抗がん剤は、体に入ってくると、がん細胞と、正常な細胞との区別が付かず、全ての細胞を攻撃します。特に、毛根細胞がやられてしまい脱毛が起こります。だから、脱毛が起こるということは、抗がん剤が効いているということになります。がんの人は、脱毛という悲しい気持ちを、抗がん剤が、がん細胞をやっつけているんだと、置き換えることができています。だから、髪の毛がなくなることは、決して可哀想なことではありません。哀れみの目で見ない方がいいかなと思います。
もう一つ、私は乳がんということで、胸もじろじろと見られることになりました。がんは、見えない臓器だけにできるものではありませんからね。
目を細めて可哀想という目で見られると、
うううーっと、たまらない気持ちになりました。
自分が可哀想だなんて全く気づいていなかったからです。
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