がん専門医押川先生のYouTube動画 ~膵がんの森永卓郎さんはなぜいきなりステージⅣ⁉
2024年12月22日
理事の堀越です。
もう1年以上前のことになってしまいますが、経済評論家の森永卓郎さんが膵がんステージⅣであることが報道され、少なからず衝撃を受けた方もいたのではないでしょうか。
昨年11月に人間ドックを受け、その際に発見されたらしいのですが、その時点でステージⅣであることが判明したそうです。
息子さんで、経済アナリストの康平氏によると、「もともと糖尿病の一歩手前くらいの状態で、そのことで病院には通っていた」とのことですが、いきなりステージⅣで発見されるということがあるのかと、当時ニュースを見た私も驚きました。
膵がんは、女性より男性の方が発症率が高く、喫煙、肥満、肝硬変、最近ではヘリコバクターやピロリ菌の感染も主な原因とされています。
特徴的な症状がなく、出るとしても腹部痛や背部痛といった、他の原因が疑われる一般的なものになるそうです。また、位置的に胃の後ろにあり、カメラ等で直接見ることが出来ないことも、発見の難しさに繋がっています。膵臓は、『頭部』『体部』『尾部』に分けられ、特に尾部は痛みも症状も出にくいため、検診等で見つかった時にはステージⅣ、ということも起こり得るとのことです。
がんの痛みは、物理的な圧迫によるため、場所により発見が遅れることも事実です。膵がんは、世界的に52%が、遠隔転移(手術が不可の状態)まで見つけることができないのですが、勘違いしてはいけないのは、「ステージで余命は決まらない」ということです。ステージは、がんの大きさや転移の状況などで振り分けられる基準であり、ステージⅣだから末期、というわけではないのです。
森永さんは、「抗がん剤治療をしながら仕事は続ける」という選択をしました。これは非常に重要なことで、治療に専念してしまうと、がんを忘れる時間がなくなり、治療に対するモチベーションや、場合によってはその意味すら分からなくなってしまうことになります。
私たちピュアスマイルスタジオが掲げている、「がんでも働く人を増やす」も、同じ考え方に基づいています。正しい知識を持つことが必要なのは、がん患者だけではなく、その人の周りで支える職場の人間でもあるのです。
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