がんとお金④ ~収入と治療費~
2022年1月5日
みなさま、あけましておめでとうございます。
本年より、NPO法人ピュアスマイルスタジオが本格的に動き出します。
どうぞよろしくお願いいたします。
今日のは、去年末からののテーマである「がんとお金」についての最終記事となります。
前回までのお話はこちらから がんとお金。脱毛以外にかかる見た目対策費
前回まで、治療費以外にかかるお金を書き出してみましたが、もう一つ忘れてはいけないことがあります。お金がかかるけど収入は減るということです。がんに罹患する全ての人が会社員ではありません。派遣の人、パートの人、そして個人事業主もがんに罹患します。有給休暇がなければそのまま収入が減ります。個人事業主の場合、仕事ができたとしても、仕事が入って来なくなる場合があります。私自身、「病気なのに仕事を依頼できない」という、困った善意に直面しました。
抗がん剤は確かに辛いです。でも仕事ができる場合もあります。
通院で抗がん剤治療をしてから出社するという人もいます。今、通院治療が多いということは、働けるということでもあります。
がんでない人が、“がんなんだから寝ていなさい!”仕事している場合じゃないでしょ!”という、昔のがんのイメージのままであることが分かったのは、私が、通院で抗がん剤治療を始めた頃です。
個人事業主の私の場合、見事に仕事が激減しました。
そうなると、自分ががんであることを隠したくなる人が増えることにも納得できます。
がんに罹患すると、治療費や今までかからなかったことにお金がかかる上に、働き方の体系により収入が激減するということです。会社員でも、今まで通りというわけにはいかなくなります。出張や残業も厳しくなってきますよね。
保険に関しては賛否両論あります。高額医療費があるのだから保険など必要ないという人も多いのですが、高額医療費の上限が8万百円であっても、治療期間は長いので結構な額になります。先日、所得の多い方で、高額医療費の上限が25万円という人とお会いしました。所得が多くても、稼いだお金の25万円を治療費に充てるということにがっかりするはずです。なぜなら、稼いだお金は治療費のためではなく、幸せのためにい使いたいという心理が働くからです。その部分を補填してくれるのが保険です。
がんに罹患することでかかるお金、入ってこなくなると思われるお金を考慮して、保険に加入すべきなのか、どんな保険を選ぶべきなのか、明確にしてください。
長年保険業界にいる専門家としては、がんに罹患することで一時金がおりるタイプのものをお勧めします。治療費にも、ウイッグ代としても、収入補填にも使うことができるからです。派遣、パート、個人事業主の方は、多めの一時金があるとかなり助かります。
私の場合、治療期間は1年半あり、1年目で150万円(ウイッグ代含)、2年目で100万円ほどかかっています。相当分の保険には加入していて助かりましたが、収入源の補填までには足りませんでした。
がんに罹患すると、しばらく保険には加入できません。特にがん保険には加入しにくくなります。
NPO法人ピュアスマイルスタジオ
下澤純子