「がん」という言葉に敏感になるのは当然のこと
2022年1月28日
お疲れ様です。
ピュアスマイルスタジオの下澤です。
「がんの人って、臭いのですぐに分かるんです」
そう言われてしまったのは、まだがん告知を受ける前のことです。人間ドックからの指摘により精密検査を後、結果までの時間でした。
私がコンサルティングをした、保険営業のひとりから出た言葉です。もちろん、本人は無意識であり、まさか私が精密検査を受けていることなど知りません。
それでも言われた私は、自分が臭っているのかと思ってしまいます。
話す相手、またはその近くにいる人が、「がん」であるかもしれないことを常に頭に置きながら言葉を発することが必要です。だって、2人に1人ですよ。その割にはみなさんの周りに「がん」経験者は少ないわけで、それは水面下である「がん」患者が多いということにもなります。特に、「がん」や「死」という言葉が標準用語となっている保険営業には気を配っていただきたいところです。保険営業専門コンサルタントとしての私から見ると、とても言葉が軽く感じます。
「がん」の人は、テレビを見ていても、読書をしていても、友人と話していても、「がん」という言葉に敏感になってしまいます。
だからこそ、間違えたことを言われると、反論もしたくなります。
間違えたことと言うのは、根拠のないことです。
「抗がん剤は寿命を縮めるんだって」
「抗がん剤は効かないらしいよ」
仲間同士で、何気なくこのような会話になったとします。
この仲間の中に、抗がん剤治療中の人がいたとしたら?その瞬間にまずドキッとします。当然傷つきます。今、抗がん剤の副作用で苦しんでいるのにいるのに、寿命を縮めるとか、効かないとか言われたら、絶望的になります。私にも同じような経験がありました。
抗がん剤の副作用で苦しくても、医者と、家族を含めて決断した治療法であり、生きるための治療です。寿命を縮めるや、効かないという言葉は聞きたくないはずです。
「がん」であることを誰にも話していない人はあなたの近くにもきっといます。
「がん」であることを誰にも話せなくなるきっかけは、このような些細なことなのかもしれません。
「がん」という言葉に敏感になるのは「がん」になることで神経質になってしまったわけではなく、当たり前のことなのです。
NPO法人ピュアスマイルスタジオ
下澤純子